2017-06-10から1日間の記事一覧

くものいと くものいとに 息を吹きかけながら 明日の日の 小さな声を にはとこの ざやめきに 真実きいた 軒端のくものいと くもは居ないよ 息ふきかけて 夕焼 小焼(くものいと)

この詩は吉本が東京府立化学工業学校に在学中に友人と作っていた「和楽路」という同人誌に発表されたそうです。この詩の載った「和楽路」最終号は、1941年11月に発刊されたそうで、吉本は1924年11月生まれだから16歳の時に書いた詩か、あるい…

うら盆 うら盆で 灯籠流せ 灯籠流せ 舟の下で 溺れた子が 抱いて帰る(うら盆)

これも「くものいと」の詩と同じ「和楽路」の最終号、卒業記念号に載った詩だそうです。この詩も完成度が高いと思いますね。スタイルとしては「太郎を眠らせ 太郎の屋根に雪ふりつむ」の三好達治みたいな日本の自然詩人を模倣しているといえるでしょうが、舟…